カメラの設定のF値って何のこと?

2017年12月2日

C03

カメラで写真を撮る時、写真の明るさのコントロールは、シャッタースピード、F値、ISO値を変えることで行ないます。これら3つのパラメータが、一般的に写真の明るさ、露出の説明の中で出てくる言葉です。

ではこの、シャッタースピード、F値、ISO値というのは、何のことでしょう?

今回はこの3つのうち、F値について説明します。

・F値は絞りの絞り具合を示す指標

F値は、カメラのレンズについている、光の通過度合いを調節するための仕組み、絞りの絞られ具合を表現する指標です。

F値が小さいと、レンズの開口部が大きくなっていて光がたくさん通る状態、F値が大きくなると、レンズの開口部が小さくなっていて、光が少ししか通らない状態を表します。

F値と光の通る割合にはちょっと変わった関係があります。レンズを光が通過できる量は、「F値の2乗に反比例」するのです。

ちょっとイメージがつかみにくいと思いますので、具体的な数値を上げてみましょう。F値がF2.0とF4.0の状態の絞りでは、F4.0のほうはF2.0の1/4しか光が通りません。2の2乗分の1、ということですね。

この「2乗に反比例」という関係がありますので、F値の数字の刻みはおおよそルート2刻みの数列になります。具体的には、以下のような数値が代表的な値になります。

F1.4 F2.0 F2.8 F4.0 F5.6 F8 F11 F16 F22 F32 ~

ですが今のデジタルカメラは、人間がF値を設定する場合にもこの中間の値を設定できるようになっています。

デジタルカメラでの写真の仕上がりは明るさの変化にかなり敏感に反応しますので、ほとんどのカメラは、これらの数字の間を3等分するような形での設定が行えるようになっています。

・写真関連での「1段」という言葉

カメラの明るさのコントロールを行なうことを「露出を制御する」と言う言葉で表します。

F値の代表的な数字を1つずらすこと、たとえばF2.0からF2.8に設定を変えることを、露出を1段ずらすと表現したりします。いろいろな調整方法で、写真の明るさが2倍分変化するような効果を、露出の1段分と考えます。

露出を1段明るくする操作をF値の変化で行なうとすれば、F2.0からF1.4に絞りを開けると言った操作になります。逆に露出を1段暗く、と言う操作は、F2.0からF2.8に絞りを絞る操作がそれに相当します。

この露出の1段分、という考え方は、シャッタースピードやISO値でも出てきます。記憶しておけば、そちらの理解もちょっと楽になると思います。