カメラの設定のシャッタースピードって何のこと?

2017年12月2日

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F値の説明の中でも書きましたが、写真の明るさはシャッタースピード、F値、ISO値をどう設定するかでコントロールします。F値はレンズが光を通す量の変化を相対的に表すものでしたが、シャッタースピードはどのような意味でしょうか。

今回は、このシャッタースピードについて少し詳しく説明してみます。

・シャッタースピードは時間を表すもの

シャッタースピードというのはシャッターが開いて、フィルムやイメージセンサーに光が当たっている時間のことを指します。スピードという単語が名前に含まれていますが、速度を表す言葉ではありません。時間を表す言葉ですので、単位は秒になります。

ですが、シャッターが開いている時間が短いことは「シャッタースピードが速い」と表現して、シャッターが開いている時間が長いことは「シャッタースピードが遅い」という言葉を使います。

「遅い」とは言っても、シャッターの装置の動作がゆっくりになると言うのとはまたちょっと違いますので、若干やっかいな言葉遣いではあります。

・フィルムやイメージセンサーは光をため込める

写真用のフィルムやイメージセンサーは光が当たっている時間分だけ、その光をため込むような反応をします。光が当たる時間が2倍になると写真の仕上がり上、明るさが2倍になるような仕組みになっています。

こういった当たる光の総量と仕上がりの明るさがうまく比例するような仕組みが、写真の明るさのコントロールの原理として利用されています。

少ない光の量でも長い時間光を当て続ければ、十分な明るさの写真を作ることが出来るようになっている訳です。これが暗いところでも、ちゃんと写真を撮れる理由です。

・F値とシャッタースピードの関係

F値を1段階変化させることと、シャッタースピードを1段階変化させることは、写真の明るさに対して同じ効果を持ちます。

具体的には、下のような設定は同じ被写体を同じ光の条件で撮影した場合に、全部同じ明るさの写真が仕上がるようになっています。

絞りF4、シャッタースピード1/500秒
絞りF5.6、シャッタースピード1/250秒
絞りF8、シャッタースピード1/125秒
絞りF11、シャッタースピード1/60秒

・代表的なシャッタースピードの数列

光が当たる時間が2倍になれば写真の明るさは2倍になるようになっていますので、時間を表すものであるシャッタースピードは、基本的には時間が2倍ずつ変化していく値が代表的な数字になっています。

今のカメラでは具体的には、以下の数列が基本的なシャッタースピードになっています。

30秒、15秒、8秒、4秒、2秒、1秒、1/2秒、1/4秒、1/8秒、1/15秒、1/30秒、1/60秒、1/125秒、1/250秒、1/500秒、1/1000秒、1/2000秒、1/4000秒、1/8000秒

現在使われている機械式のフォーカルプレーンシャッターでは、これぐらいのシャッタースピードの幅が使われます。

1/8000秒よりも短い時間(速いシャッタースピード)を機械式のシャッターで実現することは難しく、それよりも速いシャッターは、電子式シャッターが使われます。

長い方はもっと長い時間も対応可能なはずですが、実用上あまり使われるケースが考えられないせいか、設定のあるカメラは存在しません。その代わりにシャッターボタンを押している間、ずっとシャッターが開き続ける「Bulb(バルブ)」というモードが用意されています。