カメラの設定のISO値って何のこと?

2017年12月2日

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カメラで写真の明るさを決めるために調節可能な値として、シャッタースピードと、F値、ISO値の3つがあります。このうち今回はISO値について少し詳しく見ていきます。

・ISO値は「感度」の指標

ISO値はデジタルカメラではイメージセンサーやそのあとの画像を処理する仕組みまで含めた、カメラ全体の明るさに対する「感度」を相対的に表す指標です。

もともとはフィルム時代に決められた、フィルムの光に対する感度を表す数値でした。さらに以前はASAなどと呼ばれていた数字です。

デジタルカメラの時代になってもフィルム時代のISO値と同様の設定を行えば、フィルムで撮影したのと結果が同じになるようにカメラ全体としての明るさに対する感度が設定されています。

・ISO値で明るさ(露出)をコントロールすることも可能

ISO値も、数字が2倍になると、光に対する感度が2倍になる設定になっています。つまりISO400のフィルムであれば、ISO100のフィルムの4倍光に対して反応すること言うことになります。

デジタルカメラの設定でもこれは一緒で、ISO100の設定で写真を撮る場合と、ISO400の設定で写真を撮る場合とでは、写真の写り具合に対する光の影響が及ぼす影響が4倍差があることになります。

これを利用して、ISO値だけで写真の明るさのコントロールを行うこともできます。シャッタースピードとF値を固定して、ISO値だけを動かして写真の明るさを調整することができます。

ただ、ISO値は高画質なデジタル一眼レフカメラでも、上げれば上げるほど写真の画質は低下します。このためISO感度を上げることで写真の明るさをコントロールするのは、何かの制約でシャッタースピードやF値に制限のある場合だけ、と、考えたほうが、写真の仕上がりはよくなるケースが多いです。

・写真の明るさへの影響

シャッタースピードやF値と同じように、ISO感度も1つ段階が変わると光に対する感度が2倍になるような刻みで、代表的な数値が決められています。

一般的な数字は以下のような形になります。

100、200、400、800、1600、3200~

最新の35mmフルサイズと呼ばれるタイプのデジタルカメラでは、フィルムの時代にはとても考えられなかったような、ISO10万、などといったとんでもない高感度までの利用が可能になっています。

さすがにそこまで感度を上げると写真の画質はかなり低下しますが、しかしそういった領域の感度になると、真夜中でもストロボなどを使わずに普通に夜の景色の撮影が可能になります。

写真の可能性をとても大きく広げてくれる機能です。

ISO感度を変えても写真の明るさのコントロールが可能ですので、シャッタースピードやF値と同じように扱うことも可能です。以下の組み合わせはすべて同じ明るさの写真の仕上がりになります。

ISO100、シャッタースピード1/250秒、F8
ISO200、シャッタースピード1/500秒、F8
ISO200、シャッタースピード1/250秒、F11

シャッタースピードとF値の変化で写真の仕上がりは変わってきますので、それにISO値の調整も加えることで、より写真で表現可能な幅が広がる、ということになります。