手ぶれ補正機能って何?どんなときに便利なの?

2017年12月2日

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今では手ぶれ補正機能はスマートフォンのカメラにも搭載されるようになってきました。そういったカメラを実際に使ってらっしゃる方は、この機能の効果を実感してらっしゃるかもしれません。

手ぶれ補正機能とは、シャッターが開いている間にカメラを支えている体、腕や手が動いてしまって、写真に写ったものが流れたように写ってしまう、通称「手ぶれ」を軽減できる機能です。

この機能にまつわるあれこれをまとめてみます。

・ぶれとは

カメラは写真を撮る際に本当の一瞬で画像を写し取っているわけではありません。シャッターはある有限な時間開きっぱなしになっていて、その開いている時間分、被写体の光を集め続けています。

静止している被写体であればシャッターが開いている時間がどれだけ長くても、カメラさえしっかり固定してあれば写真はシャープに写ります。ですが動いている被写体だとそうはいきません。

また、人間の体は頑張っても完全に静止することは出来ませんので、シャッターが開いている間にカメラ側が動いてしまうこともあります。

こうなると被写体は写真には流れたように写ってしまって、シャープさは下がります。

カメラを支えている手が動いてしまって被写体がシャープに写らない現象は「手ぶれ」、シャッターが開いている間に被写体が移動してしまってシャープに写らないことは「被写体ぶれ」と呼びます。

・手ぶれ補正機能は手ぶれを軽減する

手ぶれ補正機能では、カメラを支える手などが動いてしまう、手ぶれを軽減する機能です。

この機能では、カメラやレンズにジャイロセンサーや加速度センサーがついていてカメラが動いてしまった状態を検知し、それを打ち消すようにレンズを調整したりイメージセンサーを動かしたりします。これによって「ある程度」手ぶれの影響を軽くすることが出来ます。

うまく機能が働けば、シャッタースピードにして3段とか4段分、遅いシャッタースピードまで手ぶれを目立たなくすることが出来ます。

例えばシャッタースピード3段分ということは、通常シャッタースピード1/60秒がギリギリ手ぶれが見えるかどうかの限界線だったとすると、手ぶれ補正機能がうまく働けば1/8秒まで手ぶれを押さえた写真を撮ることも可能、ということになります。

ただ、手ぶれ補正機能はあくまで手ぶれを「軽減」する機能で、完全に手ぶれを打ち消せるわけではないことには注意が必要です。手ぶれ補正機能があるからとラフな撮影の仕方をすれば、まず間違いなく手ぶれ写真を量産することになります。

・手ぶれ補正の方式

手ぶれ補正機能を実現する仕組みには、大きく分けて3つのやり方があります。

1つは、撮影用レンズの一部を動かして補正するやり方、2つめは、イメージセンサーを細かく動かして手ぶれを補正するやり方、3つめは、イメージセンサーから画像を切り出す範囲を動かして電子的に補正を行う方法です。

1つめのレンズの一部を動かす方法では、撮影前に被写体を見るファインダーの画像も安定するのがメリットです。その代わりレンズに手ぶれ補正用のパーツが必要になるため、レンズがどうしても大きくなりがちです。また、手ぶれ補正対応レンズでなければ手ぶれ補正の恩恵を受けられないデメリットがあります。

2つめのセンサーを動かす仕組みでは一部のカメラをのぞき、ファインダー画像は安定しません。その代わり、ほとんどすべてのレンズで写真の仕上がりに対しては、手ぶれ補正の恩恵を受けることが出来ます。

3つめの電子的な手ぶれ補正方式でも、やはりほとんどすべてのレンズで手ぶれ補正がかかります。その代わり手ぶれ補正中は、イメージセンサーのすべての領域を写真の撮影で利用することが出来ません。結果的に、写真に写り込む範囲(画角)が狭くなります。また、解像力の点でもイメージセンサーのすべてを活かすことは出来なくなります。

・手ぶれ補正があると

手ぶれ補正機能があると、周りが暗くてギリギリで手ぶれ写真を作りそうな条件の時に、失敗写真を大幅に減らすことが出来ます。

また被写体が動かないものであれば、ISO感度を上げてシャッタースピードを上げる操作をしなくて良くなりますので、仕上がる写真の画質がグンと良くなります。

手ぶれ補正機能は今の高感度に強いデジタルカメラと組み合わせれば、従来は考えられなかったような暗さの条件の中でも写真をものにすることも可能になる、とても強力な機能です。