雨の日でも写真撮影は楽しめます
雨の日、屋外で写真を撮ったことがある方は数が少ないかもしれません。そもそも外出自体もおっくうになりがちですし、雨の降る中、精密機械のカメラを使うのもなんだか怖い気もしますね。
ただ、実は雨の日にはそのときにしかとれない景色がたくさんあります。そういったものを拾ってやることで、晴れの日の写真とはまた違った味のある写真をものに出来ます。
今回は雨の日の写真ならではの被写体を紹介します。
・今はデジカメ任せで色はOK
被写体の紹介に入る前に一つ。
フィルムカメラの時代には、特にポジフィルム、リバーサルフィルムと呼ばれる、スライドを作れるフィルムでは、現像の段階、プリントの段階で色の補正を行うことがほとんど出来ませんでした。
このため、写真を撮影する段階で色のついたフィルターをかけて、ホワイトバランスを取ってやる必要がありました。
ですが今のデジタルカメラでは曇りの日や雨の日の、太陽の光の色合いが少し青っぽくなった程度の色の変化はカメラが自動的に補正してくれて、ほぼ100%問題のないキレイな色の仕上がりの写真を作ってくれます。
ですので雨対策さえ出来るなら、雨の日でも余分な気を遣うことなく写真撮影に集中できます。
・「風情」のある写真に仕上がりやすい
雨に濡れた景色は独特の風情のある風景になります。
晴れの日とは違って太陽の光もうまい具合に柔らかくなっていますので、写真のコントラストも押さえられ、雨に濡れた被写体なども相まって、しっとりした柔らかい仕上がりの写真になりやすくなります。
また山際で湿度の高い日であれば、山の裾野の低い位置にいわゆる「幽玄な」雰囲気の低い雲や霧がかかることがあります。これらもとても美しい写真に仕上がる可能性があります。
太陽の光が弱く、色が鮮やかに出にくいことを逆に利用して、モノトーンな雰囲気の味のある写真も狙えます。
・花のアクセントとして雨粒は最適
花に雨粒がついてキレイな水玉となった状態は、とてもいい花のアクセントになります。マクロレンズや最短撮影距離の短いレンズで大胆に花に迫ることで、キレイな水玉と花の取り合わせを狙うことが出来ます。
大きめの水玉を思い切りアップにすると、向こう側の風景が反転するような形で映り込むことがあります。こう言ったタイプの写真は「宙玉写真(そらだましゃしん)」などとも呼ばれ、独特のかわいらしい雰囲気が人気になりつつあります。
また雨の日には太陽の直射日光がなくなる、またはとても弱くなるため花の陰影も弱くなり、花本来の花びらの柔らかさなどが引き立ちやすい写真になります。
夏の花は夏の強い日差しの元の方が雰囲気が出やすくなりますが、その他の花はコントラストが弱まった状態の方が花の雰囲気が出やすくなります。
雲が厚くて暗い場合、コントラストが弱すぎる場合には、ストロボを併用してコントラストを少し立てる、といった方法もあります。
・雨の中の撮影の後は機材のお手入れを
防塵・防滴のレンズ、カメラ本体ではない場合には、撮影時に雨が出来るだけかからないように気をつける必要があります。
また、防塵・防滴の製品でもレンズ交換時にレンズを外した内側は、当然のことながら防水・防塵の能力がありません。レンズ交換の際にはより注意を払う必要はあります。
撮影後は家に帰ってきたあとで、カメラ機材は風通しの良い場所において良く乾燥させてやりましょう。湿度の高い季節のある日本では手入れを間違えると、レンズの表面に「カビ」が生えたりすることもありますので、湿気にはちょっと注意してカメラ機材を手入れしてあげましょう。