出来るとちょっとかっこいい写真の撮れる方法、流し撮り

2017年12月2日

03_C03

クルマや列車が走っているところ、離着陸する飛行機などの写真、どのように撮影します?写真の成功率を上げるには、シャッタースピードを速くして被写体をピタっと止めるのが確実な方法です。

ですがそのような写真って、仕上がりを見るとちょっぴり物足りなく感じられることもあります。なぜ物足りなく感じられるかとか、どうすればもっとカッコイイ写真に仕上げられるかなど、その辺のお話を少し詳しくしてみます。

・ピッタリ止めた写真の問題点

動いている被写体をピタっと止めることに成功した写真は、動く被写体を一番シャープに見せられる写真です。

そういった目的には、シャッタースピードを上げて撮影を行なえばOKです。ブラすことなく被写体を写し止められれば、それは目的にかなった成功写真です。

ただ、動いている被写体が何のブレもなくピタっと止まった写真に仕上がっていると、本当にその被写体が動いていたのかどうかが、写真からは感じられない写りになってしまうことがあります。この部分が、写真の作り方によってはちょっぴり物足りなく感じる原因の一つです。

特に高速で動いているものは、やっぱりその動きの雰囲気が感じられる写真の方が、かっこよく感じられるものです。

・キモは写真の中に動きを写し込むこと

被写体の動きを感じさせるものを静止画の写真の中で実現するには、「ブレ」をうまく使ってやるのが実現方法の一つです。一般的にはブレって写真の大敵ですが、これも使いこなしの問題で、うまく使ってやると被写体の「動感」を表現するための最高の調味料になります。

写真の狙いにもよりますが、基本的には主になる被写体は出来るだけシャープに写してやる方が、何が写真の主役かはわかりやすい写真になります。

写真の中にブレを取り込みつつ、動いている主被写体は出来るだけシャープに撮影したい、そういった目的を実現するために適した撮影方法があります。それが「流し撮り」という撮影方法です。

・流し撮りとは

流し撮りというのは基本的には、移動する被写体をカメラで追いかけながら、被写体以外の背景を適度にブラす撮影方法です。ある程度は背景がブレてくれないといけませんので、流し撮りをする際には少しシャッタースピードは遅くする必要があります。

流し撮りのちょっと難しいところは、遅いシャッタースピードを使いつつ、主被写体は出来るだけシャープに写し止めなければなりませんので、被写体の動きに合わせてカメラをスムーズに動かしてやる必要があるところです。この部分にだけは、ちょっとだけ練習が必要になります。

・カメラの動かし方のコツ

流し撮りをする際にカメラを動かすコツは、カメラを構えた腕や上半身は固めて出来るだけ動かさないこと、カメラの向きは腰の回転で変えることを意識してやることです。

横方向に動いていく被写体を流し撮りするときには、カメラが上下にぶれてしまうと被写体がシャープに写らない上に、流れている背景がキレイにまっすぐなブレにならず、ちょっと締まらないイメージになりがちです。

ですので、カメラをスムーズに横方向にだけ動かせる体の動きを練習する必要があるのです。

・練習は鉄道や大きな空港の離着陸機がオススメ

列車や離着陸する旅客機は移動する先が簡単に予想できますし、見た目の移動速度もあまり速くなく、練習にはとても適しています。また大きな空港や、運行本数の多い鉄道沿線であれば、短時間にたくさんの練習機会を作ることも出来ます。

鉄道写真ならば、近づいてくる列車を流しつつ同時にズームレンズの焦点距離も変化させる、より高度なテクの「ズーム流し」といった撮影方法の練習も出来ます。

最初はシャッタースピードを少しだけ遅くするところから始めて、成功率が上がってきたらより遅いシャッタースピードに挑戦するのが良いでしょう。

成功写真を作るまではちょっと大変かもしれませんが、一枚決まった写真をモノに出来ると、とても満足感のある撮影方法です。