ちょっぴり話題のレンズEF-S 55-250mm IS STMレビュー

何かふとしたはずみでこのレンズの妙に高い評判を知りました。

何関連のWebの巡回をしていて気づいたのか、そもそもなんでこのレンズのことを調べたのかすらもう分らないのですが、Webに上がっているコメントの中では「隠れLレンズ」とまで呼ばれるほどのものすごく高い評価がついています。

興味を持ってAmazonで価格をチェックしてみたら、評判とは相反するようにお値段が恐ろしく安い!

ちょっとからくりはあるのですが、新品が1万5千円台、中古品に至っては1万そこそこで購入できてしまうのです。

値段面のお手軽さもあってウワサを自ら確かめてみることにしました。

お値段以上!

本文はちょっと長くなりそうですので最初に結論を。

まさに「お値段以上!」です。

定価で購入してもまったく損をした気はしないであろう性能を持っています。

普及価格帯のレンズですと「このお値段のレンズとしては」とか、「キットレンズとしては」といったエクスキューズが説明に必要なレンズもありますが、このレンズにはそんな言い訳は全く不要です。

むしろ中古とは言え1万円でこんな性能のレンズもらっちゃっていいの?ぐらいの製品ですね、これは。

外観は思いの外高級感あり

マウント部を見なければ。

マウント部は真鍮製ではなくプラマウントですね。このため高級感には欠けるのですが、耐久性には何ら問題はありません。ついでにレンズ重量がグッと軽く出来ます。

このレンズぐらいに小さく軽いレンズだとマウントの重さも馬鹿になりません。

同じ焦点距離レンジのIS IIからIS STMになるときにこのレンズは光学系を一新。フォーカス駆動モーターをステッピングモーターにしてAFスピード、静粛性、フォーカシングの滑らかさを手にしています。

またその更新のタイミングでフルタイムマニュアルフォーカスも可能になりました。このレンズではフォーカスリングはいくらでもくるくる回るタイプで、バイワイヤ方式のマニュアルフォーカスになると思います。

バイワイヤは以前だとパワードフォーカスと呼んでいたタイプですね。以前のパワードフォーカスのレンズはマニュアルフォーカスがやりにくかったので、名前自体にネガティブな印象がくっついてしまいました。

それを避けるために飛行機のプライ・バイ・ワイヤや自動車のドライブ・バイ・ワイヤをまねたのでしょう。

さらに更新のタイミングで外観がシンプルかつ高級感のあるものに変更になりました。この辺りのアップグレードが安っぽさを感じさせないルックスに繋がっているのでしょう。

極めてコンパクト

このレンズ、箱から出してレンズ単体で持ってみるとその軽さに驚くと思います。

デジタル一眼レフ、特にミドルレンジから上級機に取り付けるとそのコンパクトさにもそれなりのインパクトを受けることになると思います。

とにかく小さくて軽いレンズです。

EF 70-200mm/F2.8L IS USMとならべると大人と子ども以上の差があります。

ズーミングするとレンズが繰り出されて全長が伸びはしますが、それでも十分にコンパクト。

元々レンズがとても軽いので重量バランスの変動は全く気になりません。

本体の軽さの割にズームリングのトルクはやや重め。使っているうちに馴染んで少し軽くはなるはずではあります。ですがトルクの変動は感じませんので操作感が重めでも使いにくさはないですね。

AF爆速

オートフォーカスの合焦速度はカメラボディ側の性能にも依存はしますが、少なくともEOS 7D MarkIIとの組み合わせでなら「爆速」と言っていいレベルのフォーカススピードがあります。

ほぼ無音でスムーズかつ高速に一発でピントが合う様子はすごく使っていて気持ちいいものです。

これならばかなり激しい動きものにも十分に対応できるでしょう。

素直な描写

このレンズの光学性能を一言で表すなら「素直」というのがしっくりくると思います。ここまで使った限りではどの部分にも変なクセがない感じです。

絞り開放の望遠端ではわずかに周辺の解像力が落ちるのですが、その低下具合が緩やかで回ったり伸びたりするようなクセのある崩れ方をしないため、描写に不自然さがとても少ないのです。

ボケもかなり素直なものです。開放F値が暗いので積極的に活用しにくいかもしれませんが、主被写体を撮影する邪魔になることは少なそうです。

望遠端でも解像力はかなり高いものがあります。これにはかなり驚きました。周辺部でも絞り開放からかなり安定した描写です。色収差もほとんどないためカメラ撮って出しでも全く問題なく使える画像になります。

また逆光にもかなり強そうです。太陽の光を映す川面を木の枝越しに撮影してみましたが、コントラスト低下がほとんど見られません。

この辺りにはデジカメ時代のレンズ基準の新しさと厳しさを見る気がします。

手ぶれ補正もかなり強力

このレンズも光学式の手ぶれ補正機能を備えていますが、最新に近いレンズのためその効き具合もなかなかに強力です。

望遠端でもシャッターボタンを半押しするとファインダー像がスッと安定しますので、フレーミングのやりやすさとシャッターを切るときの安心感が全く違います。

ただ、レンズが軽く慣性モーメントの面からのブレを抑える効果は弱いため、撮影時には手ぶれ補正を過信しない方が良いでしょう。

結論

一眼レフのほうのAPS-Cサイズセンサー搭載EOSユーザーで1本目の望遠ズームレンズ購入を考えている方は、EF-S 55-250mm IS STMを第一候補に入れてまったく問題がない製品と言えますね。

換算88-400mmとカバーレンジも広く、望遠側でオールマイティに使える製品と言えると思います。

またダブルズームキットを選ぶときにもこのレンズを含む製品を選ぶのがおすすめです。

EOS Mシリーズの望遠ズームとしても、そのコンパクトさから上手くマッチしてくれると思います。AFの遅さに定評のある(?)手元のEOS Mでも全く問題なく使えそうです。大デフォーカス状態からのピント合わせは遅めですが、動作に迷いはありませんね。

より高性能だったり明るいズームレンズを持っている方も、旅行用のお手軽な1本として適していそうです。

このレンズを含むダブルズームキット製品だとほぼそれだけで完結してしまって、ユーザーが次の1本に手を伸ばさない可能性もありそうに思えるぐらいです。

キヤノンも随分と思い切った製品をキットレンズに据えたものだと思います。