シグマからもF2.8通しの小型標準ズーム28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary

2021年3月8日

レンズ交換式カメラのメインストリームがミラーレス一眼に移行してカメラメーカー、レンズメーカーのレンズ設計の方向性も次第に従来の路線から変化してきたようです。

最初はミラーレスシステムのバックフォーカスの短さなどをレンズ設計に上手く活かせていないケースが多かった感じで、交換レンズも一眼レフ系のものとの差別化がうまく出来ていませんでした。

それが段々と変化してミラーレスシステムでしか作れないレンズが増えてきています。

今回紹介するシグマの28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryもそんなレンズの1本。同クラスに先鞭を付けたタムロンの製品から少し時間がかかりましたが、開放F値が2.8通しの標準ズームで従来の常識を打ち破るコンパクトさを実現した1本です。

シグマ28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryの製品情報ページより

まずはスペック

まずシグマ28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryのスペックをチェックしてみましょう。

シグマがアライアンスに参加しているLマウント仕様の場合、レンズ全長は101mmほど。最大径は72mmとかなり細身でコンパクトなボリューム感になっています。

重量はタムロンの同クラス製品よりさらに軽い470gを実現してきました。シグマのミラーレス用24-70mm/F2.8より大幅に小さく軽い本体を実現しています。

ミラーレス一眼のコンパクトなボディにマッチする小ささ、軽さのレンズと言えます。

この重量を実現するためにレンズの鏡筒には熱膨張率が金属に近いポリカーボネートを適切に使用しています。

レンズは12群16枚構成。非球面レンズを3枚、FLDガラス採用レンズが2枚、SLDガラス採用レンズも2枚使って徹底した色収差抑制を図っています。

最短撮影距離は広角側で19cm、望遠側で38cmとなっていてタムロンの競合製品にあわせたようなスペックになっています。最大撮影倍率に関してはシグマの製品の方が低めになっていますので、クローズアップ能力に関してはタムロン製品に一歩譲る形になります。

光学性能はシリーズらしい作り

28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryは名前にもあるとおり、シグマの普及クラス製品のCラインに属する製品です。光学性能を極めたレンズではないところがこの製品の性格を端的に表していると思います。

製品情報ページにあるMTFのグラフを見てみると、この製品らしい性能を示しているように思いました。

十分に高い光学性能を持っているものの頑張りすぎていないというか、適度なバランスを目指した作りをしたレンズなのだろうと想像しています。

被写体の主線の描写に関連性が高いと思われる空間周波数10本/mmのグラフは画面中心から周辺部までかなり高いところにありますので、ぱっと見た目のシャープさは十分に高いと思います。

これに対し30本/mmのラインは極端に高いコントラストは示していませんので、絞り開放からカリッカリにシャープなレンズ、というわけではなさそうです。開放では若干柔らかさを伴う使いやすい描写をしてくれそうです。

また、同心円方向と放射方向のグラフのばらつきが非常に少ないのでボケ具合はかなり素直なレンズであることが予想できます。

こちらの面でも使いやすそうです。

レンズのシリーズがContemporary系であること、レンズの情報ページに図形歪みに関する詳細な表記がないことから、このレンズも図形歪みの収差はある程度許容して残す設計になっている可能性はありそうです。

その情報をカメラボディに伝えることで、カメラ側の電子補正に任せているのかもしれません。今のカメラの機能・性能等々を考えると上手いやり方ですね。

表現がちょっと良くないかもしれませんが、レンズでの光学収差補正を少しサボることで、コストを抑えて他のスペックや光学性能を頑張ることが出来るはずですから。

レンズの定価の方は11万円となっています。こちらもより大型で高性能なレンズよりずっと手を出しやすい水準を実現してくれています。